いちばんキケンなのはスズメバチ。凶暴で、毒も強く、集団で人を襲います。
そのなかでも、土の中の巣はオオスズメバチなので要注意。他のハチを襲うほど攻撃的で毒性も最大です。
スズメバチとアシナガバチは、腰の部分がくびれています。
似ていますが、アシナガバチの方が細身で、足をだらりと下げて飛びます。
ミツバチやクマバチなど丸っこくてずんぐり型のハチは安全です。
穏やかな性格なので、相当強く刺激しなければ刺されません。
スズメバチとは…。
巣の近くを通っただけで襲われるケースも多く、毎年約20人ほどがスズメバチに襲われて死亡しています。
アナフィラキシーショック
(呼吸困難や意識障害、全身の腫れなどを引き起こす症状)が危険で、
毒蛇や熊による被害よりも、スズメバチによる死者のほうが多いほど。
スズメバチの毒液は「毒のカクテル」とも呼ばれ、
特に神経毒は強力な作用があります。刺されるたびに毒が効きやすくなるので、
一度目よりも二度目に刺された時の方が危険。
スズメバチに刺された場合は、早急に病院で治療を受けるのが安全です。
スズメバチの攻撃は刺すだけではく、毒を霧のようにまき散らす攻撃もします。
目に入れば失明することもあり、呼吸気管に入っても危険です。しかも、噴霧された毒は仲間を呼ぶ合図にもなります。
スズメバチはミツバチと違い、毒液が続く限り何度でも刺すことができると言われます。
それが集団で襲い掛かってくると、命の危険に繋がります。
スズメバチの巣はたいてい出入り口がひとつです。
外側は、木片や樹皮をかじったものを、だ液と混ぜて何層にも重ねて作ります。
形も、ボールのような球体、フラスコ状など数種類あります。
色は茶系、マーブル模様も特徴です。はじめは、女王蜂だけで巣を作り始めます。
完成した巣穴からは、見張り役のハチが常に外を監視しています。
山登りなどの途中に巣をうっかりと刺激してしまい、被害に遭う例も少なくありません。
アシナガバチとは…。
アシナガバチは比較的おとなしい性格のハチですが、巣に近づいたり、刺激を与えたりすると一斉に攻撃してきます。
アシナガバチの毒性は種類によってかなり強力で、アナフィラキシーショックが発生する可能性も。
一部の種類のアシナガバチに刺された痛みは、スズメバチを凌ぐとさえ言われています。
また、「アシナガバチはおとなしい性格だから…」と家に作られた巣を放置するのはとっても危険。
というのも、アシナガバチの巣を狙ってやってくるスズメバチに刺される危険があるんです。
スズメバチ属の一種であるヒメスズメバチは、アシナガバチの幼虫をエサとしています。
そのため夏の時期になると、アシナガバチの巣にいる幼虫を狙って寄ってくるんです。
アシナガバチの巣を放置することで、さらに危険なスズメバチを寄せ付けてしまう…
アシナガバチの巣は、お椀を逆さまにしたような、ハスの実のような形をしています。
色は灰色・グレー系で、大きさは最大で15cmほど。
外から六角形の巣穴(ハニカム構造)が見え、むき出しになっているのが特徴的です。
ミツバチとは…。
ミツバチは、刺激しないかぎり、攻撃性はとても低いハチです。
野菜や果物などの受粉や、蜂蜜の採油のために、人間に養蜂されています。
他のハチよりも長生きします。刺激を受けると攻撃してくるミツバチもいます。
ミツバチの針は、刺さるとハチ本体から抜けて、人体の皮膚から抜けなくなります。
針はミツバチの体内と繋がっていて、刺すとミツバチは死んでしまいます。
毒性はとても強く、毒針・毒液は強い匂いを発し、他のハチを誘うので危険です。
刺された場合は、毒針を指やピンセットで抜き、水や葉などで刺された部分を洗ったりこすったりして、匂いを消しましょう。
まれに、養蜂場のスタッフが刺されてショック症状になる事例も発生しています。
ミツバチの巣は、平らな板が垂れ下がったような形。
板状の巣が何枚も重なって大きくなり、大きいものでは1mほどになります。
民家の屋根裏や床下に巣を作ることが多く、大量の蜂蜜によってシミができてしまうことも…。
スズメバチの巣に比べれば危険性は低いものの、
大量の蜂蜜・ミツバチの死骸の処理が必要という点で、一般の方が駆除するのは難しい巣です。